ちゅんさんの読書ブログ

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青春小説の傑作 瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』

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私の好きな青春小説 瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』

 

 瀬尾まいこ『あと少し、もう少し』という小説をご存じですか?

私はこの作品を何度も読み返しそのたびに新しい発見があり感動をもらってます。

この素晴らしい青春小説の傑作を少しでも多くに人に読んでもらいたいので、簡単に紹介したいと思います。

 

舞台はとある田舎の中学校、駅伝

『あと少し、もう少し』はとある田舎の中学生の駅伝を題材とした青春小説です。

 

絶妙な構成

0区(0章)からはじまり6区(6章)までありその区間の走者が語り手となっていて、章と章の繋ぎの部分は襷の受け渡しシーンとなっています。

  • 0区・・・序章、語り手は部長の桝井
  • 1区・・・設楽 走るのは好きか?答えはノーだ。だけど必死に走ります。
  • 2区・・・太田 金髪、喫煙当たり前、市野中の狂犬。
  • 3区・・・ジロー 頼まれたら断れない、お調子者。
  • 4区・・・渡部 駅伝なんて泥臭い、なんちゃって芸術家。
  • 5区・・・俊介 唯一の2年生、桝井先輩ついていきます! 
  • 6区・・・桝井 みんなに一目置かれている陸上部部長。

 

前途多難な船出

 駅伝は6区間、でもメンバーは陸上部の桝井、設楽そして2年生の俊介の3人しかいません。

しかも去年までいた名将満田先生がいなくなり代わりは運動経験ゼロの頼りない美術の女教師上原。

市野中は今まで県大会出場を逃したことがなく、 その伝統を守るため部長の桝井は一人で何もかも背追い込みメンバー集めに奔走します。

 

太田、渡部、ジローが加わるが…

一人でどうにかしようとした桝井ですが中々上手くいかず俊介と顧問の上原の手助けもあってなんとかメンバー6人が揃います。

しかしメンバーが揃ってからもメンバー同士の衝突や各自が抱える色々な困難にぶち当たります。(ネタバレになるので本編を読んでね)

そんな困難を乗り越えて市野中は無事県大会に進出できるのか!?

 

この小説の素晴らしい所は6人それぞれの視点で同じ場面が語られていく中で物語、登場人物に深みが増していくところです。

 

私が特に好きなのが4区の渡部、ひねくれもので芸術家ぶっている彼ですがそれには深い理由があります。

 

もう本当にこの小説が好きで過ぎて全部書きたいところですがうまく書ける自信がないしみなさんにも読んでほしいので紹介はここまで。(笑)

 

ちなみに文庫本には三浦しをんの解説がありこれまた素晴らしいので読むなら文庫本の方をおすすめします。 

この記事を読んで興味を持った方はぜひ読んでみてください。そして誰が好きか、誰に一番共感できるか教えていただけたら嬉しいです。 

(※この作品に登場した不良の太田が主人公の『君が夏を走らせる』という作品も出てるので気になる方はそちらもチェックしてみてください。)